好きになれとは言ってない








 アマゾンで幻の蝶を見つけたときは、こんな気分だろうか、と遥は思った。

 電車に課長が乗っている。

 ああっ。
 でも、真尋さんの店からだと、課長の降りる駅は、すぐか、と気がついた。

 はっ、話しかけなきゃ、話し……

 そう思っている途中で、いつものように本を読んでいた航が顔を上げた。

 宮司さんっ、どうしたらっ!?
と会ったこともないうえに、夕べ罵ったばかりの宮司さんにすがろうとする。