翼が折れても……



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今日は、フリー。

今日で決まる。

今日の滑走順は、ショートの順位の反対。

そうなると、私は最終滑走の一つ前。

そして最終滑走は、優羽という事だ。

昨日と違って少し緊張してる。


「紗羽ちゃん。」

「高瀬コーチ。」

「緊張してるっぽいな。

……今日は、新しい方でいけ。
思っきり跳んでこい!!」

「はいっ!!」

新しい方と言われ、何故か心が軽くなった気がする。


たぶんいつもの方をやれと言われて、それで優勝したとしても私は、後悔しただろう。

高瀬コーチは、そういう所もわかってくれてる。

「……でも、こっちだからって負けることは許されないんだ。」