「何を話してる?」

「あ、嘉代先生!!」

本人に言うしか無いよな。

「嘉代先生、どうして俺をコンクールメンバーに選んだんですか?
俺よりも適任な人は、もっといるじゃないですか。」

「……そう言うと思ってた。
ただ、俺はお前に自信を持って欲しいんだ。きっとお前は……。」

きっとお前は……?

なんだよ、一体。

「お前、まだ撮るべきものが分からないんだろう?」

「っ!!……はい。」

「そんなもの分かるわけがないだろう。
分かったらみんな偉大な写真家になれちまうぞ。
ただ、心が撮りたいって叫ぶ時を待てば良いんだ。」

「そんなの……。」

出来ない。

「頭で考えるな。……あと、お前をメンバーから外す気はない。」

そう言って嘉代先生は、どこかに去っていった。

「……訳わかんねぇ。」