ーーー龍翔 side
今日は、テスト最終日で昼まで。
今までテスト勉強の忙しさで考えられなかったことが頭の中でぐるぐる回る。
「……コンクールか。」
写真部にも慣れてきて、嘉代先生にも教えてもらって少しずつ成長してると思う。
「だけど、コンクールは早くねぇか?」
全国の高校生が応募する写真コンクール。
俺の学校からは、3人出すらしい。
その中に何故か俺が選ばれてしまった。
「早くないって!!」
「健人……。でも、俺写真を本格的に初めて数ヶ月だぞ。……俺よりも長くやってる奴の方がいいだろう?」
「そんなの関係ないよ。写真が上手いかどうかでしょ?はっきり言って、龍翔の写真はうちの部活でも1、2を争うと思うよ。」
「……。」
でも、俺は自分の写真に満足なんてしたことない。
というか、何を撮ればいいのかよく分からないんだ。