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今日は、あの新しい学校に初めて通う日。
本当は、新学期の初めから行きたかったけど、退院がちょっと長引いて2週間遅れていた。
「あぁ、緊張する。」
俺は、あの学校へ‘‘通う’’ことにした。
車椅子で電車に乗るのも、難しいことは充分分かっていた。
けど、あの家に帰りたかった。
紗羽と優羽の隣にいれるあの家に……。
「龍翔、待って。」
初めてだから、今日は母さんが付いてくる。
「よし、行こう。」
母さんは、俺の車椅子を押そうとした。
「母さん、押さないで。
これから俺は、1人で行かないとダメなんだから。」
「……えぇ、分かったわ。」
俺は、駅まで一生懸命、タイヤを回した。