ーーー龍翔 side

紗羽は、もうすぐ大会だっていうのに今日も俺のところに来てる。

「紗羽、もうすぐ大会だろ?こんな所に来ていいのかよ?」

「大丈夫だよ、隣の家なんだから。」

まぁ、その通りだわ。

俺は、2週間前に退院して家に帰ってきた。

「それに今は、ここに来なきゃいけないんだよ。」

「は?」

「なんかね、龍ちゃんの顔見ないとちょっと不安になる。
……勝とうとしなかった弱い自分に戻ってしまいそうで。」

っ……。それって俺が紗羽の支えになれてるってことなのか?

「紗羽は、強いよ。」

「そうかな……?」

「うん!!」

紗羽は、弱そうに見えるけど、ただ優しすぎるだけだ。

本当は、強い。

俺が荒れてた頃もずっと俺のそばにいてくれた。

……紗羽が強かったから、俺は前を向けたんだ。

今度は、俺が紗羽の支えになろう。


「頑張れよ!見に行くから!!」

「うん!!」