ーーー龍翔 side
今日は、母さんが着替えを持ってきてくれた。
「ねぇ、龍。あの学校どうする?」
あぁ、そっか。
障害者になった俺には、もうあの学校に通うのは、難しかった。
……紗羽や優羽と卒業したかったけど、たぶん俺があの学校に通いたいと言えば、紗羽が頑張りすぎるだろうな。
「……辞めるよ。それしかないだろ?」
「そう。あのね、障害者学校行かない?」
「障害者学校?」
「うん。
家の最寄り駅から3つ行ったところにあるの。
寮とかもあるって。
……はい、これパンフレット。
よく考えておいて。」
「あ、うん。」
障害者学校があるなんて知らなかった。
なんとなくパンフレットを開いた。
知的障害者と身体障害者で分かれてる。
俺の場合は、身体障害者。
身体障害者の授業内容は、案外普通だ。
部活紹介。
「……車椅子バスケか。
やっぱり、車椅子スポーツと言えば、バスケなんだな。」
運動部は、それしか無い。
文化部の欄に
「写真部……!」
実は、親父が写真好きで、アマチュアながらコンクールで入賞した事があるらしい。
俺は、小さい頃親父に写真を教えてもらっていた。
「写真か……。案外楽しかったんだよな。
サッカーとかで忙しくなったから、あんまりやらなくなったけど。
……もう1回やってみようかな?」
サッカーのできない俺にとって、新たな光に思えた。