ーー

私は、訳がわからないまま、龍ちゃんの病室の前まで来てしまった。

コンコン

「はーい、どうぞー。……っ!!」

龍ちゃんは、私を見て目を丸くしていた。

というか、私も丸くしていただろう。

だって……

「何で龍ちゃん、そんな格好してるの?」

龍ちゃんは、今からどこかに出かけていくような服を来ていた。

「優羽から聞いてない?」

「うん。とりあえず今日は、おしゃれして行きなって言われただけだよ?」

「うん、すごくおしゃれだな。
……てか、可愛すぎだろ(小声)。
……うっうん、今日は紗羽が練習休みだって聞いたから、どこか出かけたいなぁって思って。」

「うん!行きたい!!」

私は、食い気味で返事した。

「じゃ、行くか!!」

龍ちゃんの側に車椅子を持っていく。

龍ちゃんは、懸命なリハビリで自力で車椅子に乗れるようになった。

だんだんとあの頃の龍ちゃんに戻ってきてると思うと、嬉しくなった。

「よし!行くか!!」

「うんっ!!」