ーーー数日後

おばさんから、『龍翔が目を覚ました。』
と聞いたので、私と優羽は、龍ちゃんの病院に向かっていた。

「……。」

「……。」

あの喧嘩から私たちは、口を聞いていない。

いつもだったら、私から謝るんだけど、今回は、どうしても謝りたくなかった。

「次はー、横馬大学病院前ー。」

私は、降車ボタンを押した。

「着いた……。優羽、降りるよ。」

「え、あ、うん…。」

龍ちゃんの事故があってから、優羽は、どこか上の空。

「えーと……838号室はー?」

「……。」

「あ、あった。……優羽?」

……違う。謝れなくなったんだ。優羽と上手く会話が続かなくなったんだ。

私は、一つ深呼吸をして、ドアをノックした。