「ねぇ、紗羽。あなた、スケートも抑えてるでしょ?」

「っ!!そんな事ないよ。」

本当は、図星なんだ。

私はいつも優羽の上に立たないようにしている。

「本気でスケートをしない紗羽に優羽を怒る資格あるのかしら。」

お母さんの声が低くなった。

「紗羽、本気でスケートをしなさい。」

「お母さん……。どうしてスケートで争うの?私は、スケートが大好きだけど、争いたくない。」

「……やっぱり。」

「え?やっぱりって。」

「紗羽は、戦うの嫌いだからそんなことだろうと思ったわ。……今すぐ本気で戦えとは言わない。だけどいつかきっと戦う意味が見つかるから、見つけたときに本気で戦いなさい。その時に躊躇うんじゃないわよ。」

「……うん。」

ねぇ、お母さん。

私は、どうすればいいのかな……。