ーーー数日後

今日は、優羽も練習してる。

優羽、すごく怒ってるな……。

優羽は、感情がスケートに出るタイプ。

「優羽、何かあった?」

いつも私が、宥める。これが私の役目。

「聞いてよ!!龍ってば今日放課後デートする予定だったのに、先輩に誘われたからって自主練するとか言い出したんだよ!!ほんと、有り得ない!!」

でも、龍ちゃんの事になると胸が痛くなる。

「落ち着いて。そう言うなら、優羽が練習でデートできない時、龍ちゃん怒ったことあった?」

一生懸命、自分の気持ちを抑えて平然を装う。優羽には、分からないだろうな……。この胸の痛みが。

「怒ったことないよ。でもさ、私たちはシーズンが終わったこの時期ぐらいしか、思う存分デート出来ないんだよ!?」

「龍ちゃん、もうすぐ試合があるんだよ?」

「だから?たかが、試合でしょ!!」

「……そういう言い方ないよ。その試合で活躍したら、龍ちゃん、ベンチ入り出来るかもしれないんだよ?」

「っ!!そんなの知らないよ!!」

「優羽にも夢があるように、龍ちゃんにも夢があるんだよ。」

「龍と付き合っていけなくなるぐらいなら夢は……スケートは諦めるよ!!」