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あの奇跡の世界選手権から数ヶ月。


今は、春休み中。


今日は、龍ちゃんが応募したコンクールの表彰式。

もちろん私と優羽は、一緒に行く。


「龍ちゃん、そろそろ行くよー?」

「おう。」


龍ちゃんのお父さん、つまりおじさんの運転で会場まで行く。


「龍、緊張してるんでしょ?」

「……まぁ。」

龍ちゃんは、緊張すると口数が減る。

「プッ!!」

「こら、優羽!」

優羽は、いつも緊張してる龍ちゃんを見て笑う。

「龍ちゃんだって緊張ぐらいするの!!」

「龍ちゃんだってって………。」

「……あんた綺麗に傷口抉ったね。」

「へっ?」

誰が誰の傷口抉ったの?


「「……天然って怖い。」」