「あら、紗羽ちゃん。また、1人で練習?」


「白羽コーチ。」


白羽コーチとは、私と優羽のコーチをしてくれている人。
10年ぐらい前までは、シニアで活躍してた人。


「練習というか、ただ滑ってるだけですよ。」


「ほんと、紗羽ちゃんはスケートが好きね。」


スケートは好き。でも、どうして大好きなスケートで順位をつけるのか、私にはわからない。


「コーチ、どうしてスケートで順位をつけるのですか?」


「そうねー……。私もそう感じたことがあったわ。でも、金メダルを取ってからアイスショーに出るとすごいお客さんが喜んでくれたの。私は、アイスショーでお客さんに盛り上がって欲しかったから金メダルを取りたかったの。」


「そうだったんですね。……私にも見つかるでしょうか?争う意味。」


「きっと、見つかるわ。」


その時の私は、気づいてなかったんだ。

もうすぐ見つかるってー。