「この地蔵さん。イタズラ書きなのか?色んなところに黒い線があるな。それにこの赤い布。少しカピついてる。何かに浸したのか?」
興味深く秀哉は地蔵の前に座り込み覗き込んだり、触ったりしていた。
何を馬鹿みたいなことを....
そう思いながらもお地蔵さんに嫌々と目を向けた。確かに秀哉の言った通り色々とイタズラ書きみたいなものがあった。お地蔵さんの目を細い黒いで引いている。それに首にはギザギザに引いていて、足元にはサビがあってよく分からないが線と文字が書かれているのは何となくだが分かった。
「秀哉くん駄目よ。お地蔵さんにそんな無礼なことしちゃ」
「あっ。そうですね。すいませんお地蔵さん。」
おばちゃんにやけに素直な秀哉は手を離して両手を合わせてお辞儀した。
そっちかよ!!と突っ込みを今すぐ入れたかった。
「あれ?あんた達も「彩澄旅館」いくのか?」
そう言いながら初対面なのにやけに図々しく近ずいてくる2人組がいた。
声を掛けてきた奴は金髪で服がチャラチャラしていてサングラスを掛けていた。ガムか何か食ってるのか口をクチャクチャと音をたてていた。
もう一人の方はさっきの「ガムくちゃ男」とは真反対なタイプだった。黒髪でいかにも町でよくいる人って感じだ。服装もかっこいい訳では無いし、ダサい訳でもない。とにかく普通という印象だ。唯一気になるのは周りを妙にキョロキョロすることくらいだ。



