首取り

そう言いながら車は薄暗いトンネルを抜けた。開放感に見舞われ感覚的に出た所は別の場所のような感じがした。秀哉の言うとおりトンネルの出た所に車を停めるスペースがあって車が三台停めてあった。ギリギリもう一台くらい停められるスペースがあったのでおばちゃんの見事なハンドルさばきにより上手く停められた。

他の三台の車はトンネルのために来たのか?だけど入口は勿論トンネル内には誰一人として見かけなかった。
だったら思いつく所は一つしか...


「よし!!じゃあ行きますか!!」


さっきまで消えかかりの火の様だった辰吾がテンション高く言った。
....人の気も知らないで....
心の中でぼそっと呟いた。


「咲。お前何をカバンに入れてきたんだ?」


秀哉が小さい声で聞いてきた。これはいつもなら普通にセクハラなので腹に蹴りを二発くれるところだが、そんなことの為に聞いてきたのではないっていうのは状況からして明らかだった。



「一応泊まれる様に服とか入れたけど....後は護身用にナイフとか持ってきたかな」


「なるほどな。俺はこんなもん持ってきたぞ」


秀哉はおばちゃんと辰吾に見られないようにリュックの中を隠しながら見せてきた。そこには服とかタオルがあったが、一つ布で覆い隠された物があった。


「これ何だよ?」