普段は風華と私で、秀哉と辰吾、別々に固まっているが、辰吾は風華と秀哉の関係を知っているのか秀哉を連れてよくこっちに絡み、そして私が巻き添えをくう感じだ。
辰吾は特に部活をやってなく自由に生きていると言った感じだ。将来はお笑いの道へ進もうとしているそうだが、折角身体が大きいから柔道とか空手とかしたらいいじゃんと陰ながら思っている。ぶっちゃけ辰吾は面白い話はあんまりしなく、ただただうるさいという印象しか未だに掴めていない。ただリアクション芸人ってなるとワンチャンあるようにも感じる。
いつもうるさい辰吾だが、辰吾自体が嫌いと思わないし、絡んでいて退屈はしない。


「ちょっと咲ちゃん。やりすぎよ。ほら辰吾くん、大丈夫?」


「ええ大丈夫です。本当にいつもこんな感じですから。ただ大丈夫ではないと言ったら風華のお母さんが美しすぎて直視できない事ですね」


「えっ!?まぁ!上手なこと!」


何故か仲良くなってるおばちゃんとバカ辰吾を置いといて私は秀哉に小さい声で話しかけた。


「辰吾が来るのはいいんだけど、どこまで話したの?まさか...全部話したの?」


「いや。辰吾には風華が旅館に篭ってるくらいしか話していないさ」


その言葉でほっと胸を撫で下ろす。辰吾のことだからもし本当のことを全て知ったら警察に速攻連絡して、大事になったら風華を監禁してる"あの女の人"がどういう行動をとるか分からない。そもそも監禁しているのが"あの女の人"か違う人か、まず監禁されているのかどうかも分からない。