首取り


「これは私達家族の問題でもあるの。でも同時にあなた達の問題でもある。なら一緒に行きましょ風華の所へ」


私はおばちゃんの提案を素直に受け止めて小さく頷いた。でもどちらかと言うと秀哉の考えでいたのだが、おばちゃんがどんな苦労をして風華を育ててきたか知っている私には当然止めることは出来なかった。
秀哉はしぶしぶ頷いたといったかんじだ。


「うん。じゃあ二人ともいく準備してきなさい。もしものことを考えて泊まれるくらいの物もあった方がいいわね。旅館までは私の車でいいから。」


「あの...お母さん。もう一人くらいメンバー増やしても良いですかね?」


「いいけど....風華のお友達?」


「まぁそんな感じですね。」


はぁ!?マジかよ!あいつ来んの?
心の中でそう叫ぶが口には出さない。
言ってやってもいいけどそれだと余計会話が続いてく。正直風華の所に早く行きたいから身支度をパッと済ませたい。


「ほら秀哉!早く身支度しにいくよ!」


会話中を割って私は強引に秀哉の手を引いた。我慢するのに疲れてしまった。

秀哉の手を引きながら私は風華の家を出た。