首取り

だけど何だろう?....この違和感は...何かを見落としている気がする。
モヤモヤとする感じが次第に私を包み込みイライラしてくる。まるで蜘蛛の糸に絡まったような気がしてならない


「....行こう!」


「え?」


一人で考え込んでいたので、秀哉の別に大したことない言葉に思ったりより反応した。その様子を秀哉が見て、「あっ、そうか....やば...」と小さい声でボソッと呟いたのが分かった。


「いや...あの...さっきのは間違えで......い..行きましょう。風華の所へ。つかまってるにしろ咲の勘違いにしろ実際に行ってみないと分からないですよ。」


秀哉が何故やばそうにしていたのがようやく理解できた。タメ口したところを私に指摘されたと勘違いしていたようだ。本当に呆れたやつだ、と思いながらも秀哉の発言はちゃんと耳にしていた
確かにそうだ。今出来ることはそれくらいしかない。だけどまだあの蜘蛛の糸のような違和感が私の隣にあった。


「そうね。行きましょう」


「お母さんはここに残っていて下さい。僕が責任持って連れていきます。」


「お気遣い悪いけどさっき話した通り私は行くわよ。風華には...色々と言わなくちゃ行けないことがあるもの。」


「だ...だけど....」