首取り

風華から意外な返答が来て少し同様した。
え?忘れる程度のことなの?ドッキリだとしてもそれに関して私は心配してるのに....それに「彩澄旅館」は昨日の電話で聞いたし、手紙にもあった。それなのにさっきの口調だと明らかに私に旅館の存在を初めて教えるようだ....

ふいに私は風華の質問を完璧に無視をして、そっと耳をすませた。
後から小さい声で秀哉が声をかけてきたが私はハンドサインして秀哉の口を黙らせた。


「ん?どうしたの?....もしも〜し」


風華が声をかけるが答えるより耳をすます方に専念した。
そこで私はあることに気付き、それを確かめようとするが少し戸惑った。

確かめるのが怖い....もしここで風華が嘘をいったら....

だが、黙っていてもしょうがないと思い、その重い口を開けた。


「ねぇ....風華?」


「ん?なに?どうしたの?」


私の勘違いもある。もう一度確認をするため、また耳をすませた。だが、やはり勘違いなんかじゃなかった。

声が...風華の声がやっぱり反響していた。
まるで、コンクリートで囲まれた広々とした部屋にいるようだった。
何故そんな所にいるのか?と聞かれたら何とも言えないが、声の反響を聞くとそんなことくらいしか思い付かなかった。


「....その「彩澄旅館」?だっけ?そこの今何処にいるの?」