首取り

高校生にもなってよりによって刑事ドラマのオープニングを着メロにしていることがバレた。
風華以外に知る人はいない...

おばちゃんは「出ていいよ」と目で伝えてくれたが、秀哉は少し驚いたような感じでこっちを見てくる。

.....そんな目を見開いてみんなよ....

秀哉を睨みながらも携帯を手に取る。
電話をかけてきた相手は....


「風華!!?」


私の声に合わせるようにおばちゃんと秀哉の視線が一斉に携帯に向けられた。
おばちゃんは緊張感が溶けたのだろう、目がウルウルとしてきて、秀哉は嬉しそうにしていた。
私はすぐ携帯を操作して電話に応答した。


「ちょっと風華!?今大丈夫なの!?」


「........ごめんね。心配かけちゃって」


数秒後に風華が返事をした。
風華の声だ....少し違和感を覚えたがあまりの安心に気にもしなかった。心の重りが完璧に解けて、身体が軽くなった気もする。


「本当だよ。どれ程心配したと思ってんのバカ....」


「本当にごめんって」


風華は少し笑いながらそう言った。
風華の無事が確認出来て、こっちも笑顔になっていく。


「風華、今何処にいるの?あれは本当だったの?」


その答えを今すぐに聞きたくて質問したがその答えがかえってくるは十秒程かかった。


「あれは?......あー....あれはドッキリだよ。ごめんね。
あと今いるところは「彩澄旅館」ってところにいるの!凄くいいところだから咲も来なよ。」