「な...なんなの......?これ......」
私はいつの間にか涙を流していた。目の前にはおばちゃん。横には秀哉がいることは忘れていてただただ涙を流しながら手紙を読んでいた。
「迷惑ばっかかけてごめん」!?「私のことは忘れて」!?何バカなこと言ってるの!?私が風華のこと忘れる訳ないじゃん!迷惑かけているのはコッチの方なのに。私が今までどれ程風華に助けてこられたことか...
風華は私の大親友なんだよ!?ふざけないでよ!!!
心の中でそう叫ぶ。決して泣き声なども出さない。私は心の中で怒りと憎しみが湧いてきた。
勝手なことを言う風華に対しての怒り
こんなにも私のことを思ってくれていたのに見捨ててしまった私に対しての怒り
風華を危険な目に合わせている"あの女の人"に対しての憎しみ
それが心の中でごちゃまぜになってくる。
おばちゃんと秀哉は手紙を読んでいて酷く困惑している状況だった。何でこんなことが書かれているのかっといった表情だ。ただおばちゃんは困惑しながらも目がうるうるしていた。多分日頃の感謝の言葉が書かれているのだろう。
そんなおばちゃんと目が合って私は反射的に目を逸らした。泣き顔を見られたくないのか、深刻な状況を悟られないためなのかは分からない。ただ無意識に目を逸らした。
そして私は確信を持った。さっきまでは度を過ぎたドッキリだと心の端でそう信じていたがその思いはこの手紙を読んで完璧に消えた。
その代わりに罪悪感がだんだん強くなる。
"私は完璧に親友を見捨てた"。そのワードが頭から離れなくなり心が締め付けられる。



