まぁそんなことはさておき、秀哉宛になぜ封筒があるのか、風華の家にきてソワソワしているのは理解出来ていた。
秀哉にとっては風華の母親に好印象を与えれるチャンスとでも思っているのであろう。
風華の状況を知らないとはいえ、私からみたら哀れと思う他ならなかった。


「でしょ?共感できる人がいて私は嬉しいわ」


そう言って私と秀哉分の麦茶の入ったコップを渡してくれた。
私は軽くお礼を言って麦茶を口へ運んだ。冷たく美味しかった。
横をチラッとみると秀哉はニヤけるのを必死にこらえていた。おばちゃんに好印象を与えられて嬉しいのだろう。


「じゃあ咲ちゃん。教えてくれる?何で咲ちゃんは封筒のこと知ってたの?何を知っているの?」


おばちゃんは席につくとすぐに質問を投げかけてきた。秀哉は不思議そうに見てくるのが分かる。


「......私は風華と昨日電話して、その時にこの封筒のことを知りました。それだけです。」


私はそう言ってポケットから封筒を三封出した。そこには私とおばちゃん、秀哉の名前が書かれていて、秀哉は横で「風華が...俺に?」とボソッ呟き、ニヤけそうな口を手で押させてごまかす。
おばちゃんは机に置かれた封筒をすぐ手に取り、中に入っていた紙を広げた。
私もすかかず自分の封筒を手に取って中に入っている紙を出した。その紙は風華が言っていた手紙で中にはこう書かれていた。