何故ソワソワしているのか、それは秀哉は風華のことが好きだからだ。秀哉には何回か風華のことで相談されていた。風華の好きな食べ物やら、タイプやらキモイ程しつこく相談されたのを思い出す。

秀哉は陸上部のエースで、勉学も中の上くらいできていて、その秀哉の彼女の座を狙う女子は沢山いた。秀哉が陸上部の練習をしていると女子が多く見学しに来て、そいつらは秀哉目的で来ているだけと確信している陸上部の生徒はとても気まずそうな空気を漂っていた。中には自分目的で来たと勘違いしているバカはウザイ程はしゃいでる。

体育館と陸上部の練習場はまぁまぁ近かったし、実際見に行った時もあった。練習している陸上部は真剣に練習に取り組んでいる中、キャーキャー言いながら目を光らせ、他のライバルを睨みつける女子。その光景を見ていると滑稽に思えて、笑みすら出てくる。

見学の女子達はもしかしたら付き合えるとか思っているだろうけどそんなの結果はとうに決まっている。
風華が秀哉をフればワンチャンくらいあるだろうが、風華も秀哉のことが好き、両想いだった。だから風華も私に相談してくる。聞いてくる内容は秀哉と差ほど変わらない。本当に気が合うなと思いながら適当に相談にのる。
そんな私の態度にひねくれる風華がいるが、そもそも私に相談することがまず間違っている。両想いってのを知ってるだけで私は恋愛経験がほとんど無い。逆に男子からは「咲兄」とかいじらる始末。