白い清潔感で溢れるリビングでカチャカチャと皿同士が当たっている音を聞きながら椅子に座っていた。そして私はただただ茶色の机の上に置かれているたくさん咲かせている赤い花を見ていた。とても可愛らしいその花々を見ていると心が安らかになっていく感じがした。
前に遊びに来た時にはなかったから、最近になって置いたのかと心の中で思った。


「その花可愛いでしょ?カランコエつていうの。」


私がカランコエを見ていたことに気付いたおばちゃんは台所で作業しながら話しかけてきた。私と秀哉の為に飲み物を出してくれるのだ。だが、台所の片付けをまだしていなかったのか、皿を隅にどかしたりしているであろう仕草をしている。


「はい....とても綺麗で可愛いです。」


今自分ができる精一杯の笑顔を向けながらいった。そんな私の顔を少し見てコップを取り出し冷蔵庫から麦茶をとり、コップに注いでいる。そのおばちゃんの行動を見て、私は自分の作り笑顔がバレバレだということを悟った。
自分でも分かってる。いつもみたいな笑顔が出来ていなかったことは。


「お...俺も綺麗だと思いますよ...はい...」


すぐ横に座ってる秀哉は控えめに意見を言う。今の状況を知らないから仕方が無いのだが、とてもソワソワしていて落ち着いていない。そんな姿を見て私はムッとする。