私は左の引き出しの底の端っこを強く押した。すると底は少しだけ浮いて、底の板を取り外すとそこには青い封筒が三封あり、裏に私とおばちゃん、そして秀哉の名前が黒いマジックで書かれていた。


「咲ちゃん。一体何をしてるの?いい加減おばちゃんに説明してもらえる?」


後ろで心配そうにおばちゃんが聞いてくる。
私はゆっくり後ろを振り返り真剣な目をして


「私もよく状況が理解できてないんです。だけどこの封筒にはその状況を理解できるヒントが書かれていると思います。」


そう言って三封の封筒を見せた時、おばちゃんは「なにそれ?」みたいな表情を見せた。


「この封筒には私とおばちゃん、そして秀哉の名前が書かれているんです。秀哉をここへ呼んでもいいですか?そこで私が知ってることは話します。」


おばちゃんは困惑していたが、私の表情を見て渋々許可をくれた。
私は携帯の連絡帳から秀哉を探し出し、電話をかけた。

三回のコールで秀哉は電話に出た。


「もしもし?どうした咲?」


「秀哉。今すぐ風華の家に来て」


そう言うと秀哉は「え!?」と声をあげた。その理由は知っていたのでまぁそうだよなと軽く思う。


「え?お...俺が風華の家に?な...何で?」


嬉しそうに控えめに聞いてくる。勿論こんな反応するのは分かりきっていたことだが今の状況的には凄くイラつかせるものだった。