「っで、何の用事ですか?今両親は旅行中ですよ?」
ホッと胸を撫でながら話を変えた。
おばちゃんが電話をかけるのはまぁまぁ多いがそれは大体が私の親に対しての電話だ。
今回も結局親に何か頼み事やら聞きたいことなのだろうと思っていたが、その思いとは全然違う要件だった。
「ねぇ咲ちゃん。風華は今あなたの家にいる?」
「え?風華...ですか?いえ。いませんけど...」
そう答えるとおばちゃんはため息と「そう...」とだけ言った。
どうしたのだろうか
「何かあったんですか?」
私の問に一息つけておばちゃんは心も身体も疲れきっている口調で答えた。
「風華が明日の朝までには戻るって言ったのに帰ってこないのよ。連絡も来ないし....咲ちゃん。何か聞いてない?」
「え?だって風華は今頃旅......」
ハッとして言葉が詰まってしまう。
電話口から「どうしたの?」とおばちゃんが聞いてくるがそれはあまり耳に入ってこなかった。
さっきまでドラマに夢中だったし、寝起きだったので昨日に風華との電話を頭から離れていたが、段々鮮明に思い返してきた。
風華は旅館にいるって言ってた...親にも言わずに?あの真面目な風華が?...でも、話が本当なら風華がいっていた"あの女の人"がいる旅館に行くなんて親には絶対言わないし......あれ?私もしかして...風華が危険な状況にも関わらず全く信じずにほっといた...見捨ててしまったの?......



