首取り


「いやいや、その人じゃないんだって。絶対掃除してるひとだって。」


テレビにお茶が半分残っているコップを向け聞こえる筈もないテレビの探偵に助言する。
それからも犯人探しは続き、いよいよ最後に犯人が解き明かされる場面に突入した。
容疑者の疑いをかけられているのは船の乗組員と自分が予想した掃除員だ。
いよいよと思うとコップに力が入り、今か今かと待ち望む。


「いけ...いけ!掃除してる人犯人だろ!」


まるで競馬をしている人のようにコップを片手についには立ち上がった。
探偵は同じところをいったりきたりしながら事件の真相を話す。正直早く言って欲しいのでイラッとした。
そして立ち止まり二人の方向を向いて右手をあげる。
そしてお決まりの言葉......が来ると察してコップを机におき自分も同じ体制をとった


「犯人は...お前」


プルプルプルプルプルプル!プルプルプルプルプルプル!


「もう!!!!いいとこなんだけど!!」


家電だ。
本当にタイミング悪く来て、とても中途半端な気持ちになってしまった。
思わず机を蹴り飛ばそうとしたので慌てて足を引っ込める。
テレビの方を見ると犯人は掃除員ではなく乗組員だった。
私は無意識に手をオデコにあてた。


「くぅ〜違ったか〜...いいところで電話くるし、今週はいい事なさそぉ〜...」