首取り

私の発言に対して実里さんは疲れたようにボソッといった。


「...やっと食べた...」


「え?」


意味が分からなかった。
ボソッと言ったから聞き間違えかもしれない。


「お客様の身内やご友人にこの旅館のことを知っている人いますか?」


実里さんは真顔でそう言った。

どうしたんだろう?

そう思うがあまり気にしないで正直に答えた。


「友人に一人いますけど...」


「お名前は?」


「遠藤 咲って子ですけど....」


「そうですか...」


実里さんは顔に手を当てた。
本当にどうしたんだろう。
私なにかダメなこといったのかな?


「あの...実里さん?私何かダメな」


声をかけ、実里さんの肩に手を置いた瞬間、実里さんの右手が素早く私の口をつかんだ。
その手はとても冷たく凄い力がこもっている。
いきなりのことでビックリして、その手を払おうとしたが物凄い力があって全然ビクともしない。

なんなの!?この力!

段々上に持ち上げられていった。たった1本の腕だけで...
私は腕だけではなく体とかに蹴りを入れたが全く動じない。
実里さんの顔を見ると...あの女の人だった。
顔は真っ青で、白目で口が裂けそうな程に開けている。