「んで!私冬休みになったら速攻で行くんだけど良かったら一緒にどう?」


「私は遠慮しとくよ」


私は即答した。


怖い話は好きなのだが、実際スポットいったり、ビックリしたりする体験は苦手なのだ。あの心臓が一瞬止まってしまうような感覚...あれはどうも苦手だったのだ。


「そっか風華は苦手だったねこういうの。咲は?どうせひまでしょ?」


そう言われると咲は少し困った表情を浮かべていた。


「私は家族との旅行で遠出しちゃうんだよな...」


「あっ...そうなんだ...一人だと怖いんだよね...あー今すぐにでも行きたい!もういい!今日にでも私一人で行ってやるからね!」


別に日を改めればいいのに...
明日から冬休みだ。明日家族とか友人を引き連ればいいのに...

そう思いながら頑張ってね。と伝えてHRが始まった。


「明日から冬休みだが、皆だらけすぎないように...」


担任の近藤先生は五十代のおっさん。
年齢のせいか真冬の今でも汗を流していて、とても話が長い。
先生の話に退屈していた最中肩を叩かれた。
隣をふと見たら恵実が"頑張ってくるわ"っといってガッツポーズをした。

その目には期待と不安が混ざっていた