首取り

恥ずかしそうにまた頭を下げる。
ふ...普通に可愛い...
私は少しキュンとしてしまった。
女の人にこんな思いするのは初めてだ。
ん?そういえば実里さんって...


「大丈夫ですよ。それとこんな時に聞くのもなんなんですが、実里さんは今二十何歳ですか?」


全く持って空気が読めないことをした。
だが私は素直に実里さんと交流を深めたいと思った。
目の不自由な実里さんを何とかして上げたいし、仲良くなりたいと本気で思った。
だが...


「年齢は...秘密です。」


これは...なんて思っていいのか...
ハッキリとした答えじゃなくて、秘密にされてしまった...
ん?これって実里さんは意地悪してるのか?
これって思っていた以上に距離近いんじゃないのか?

すると私の部屋にある古時計が音を鳴らした。
それに気づき、実里さんは少し慌てた感じで


「すいません。これからまた別の仕事があるのでそちらの方にいっても宜しいですか?」


「あっはい。大丈夫ですよ」


「では。」


実里さんはそう言い残して風の如く私の部屋から去っていった。
偉いなぁ...実里さん...
私は彼女の姿を思い浮かべた。