「そうそう。動画はあってもそこがどこにあったか分かんなかったじゃん?だけどつい最近分かったんだってそのトンネルが!」


といってスマホの画面を見せてきた。


「これが「首無しトンネル」か...」


私はスマホ画面を見ながら呟いた。

見た目はいたって普通のトンネル。ここで心霊現象なんておきるのかな?


「へぇ〜」


少しテンションが低い咲。恐らく自分が思い描いたトンネルと違ったのだろう。


「どうやって分かったの?」


「首無しが落ちてきた所の景色とか、画面の端に見えたお地蔵さんとかで特定したらしいんだって」


私の質問に素早く答える恵実

相当テンションが上がってる。


「で?なんでそんなに恵実はテンション高いの?まさか首無しトンネルにいくの?」


「流石風華!私の思ってることを分かってるねぇ〜」


やはり...恵実ならいくか...

恵実はこれまで数十個のスポットに行ったことがあるらしい。
「首無しトンネル」はここからまぁまぁ近い。恵実にとっては良いご馳走だろう


「今年結構雪降ってるから雪崩とかあったら危ないんじゃない?」


「咲。それに関しては大丈夫。私は神に愛されてるし、幽霊はきっと私を待ってる!」


大きく手を広げながら意味不明なことをいってる姿はまるで子供。
咲も私も苦笑いが精一杯。