首取り


秀哉は恐らく伊介を恨んでいる。実里と幸江さんのやり取りを見て、行き場を失った憎しみは、裏で糸を引いているであろう伊介を恨んでいるのかもしれない。
だから、二人のどっちかは絶対に伊介と確信している秀哉はそういうことをしてしまうんじゃないかと恐れた。


「いや、大丈夫だ。それは絶対にしない。一人を見極めてやる!」


「だ、だけどよ!この二人じゃない可能性もあるだろ?もしかしたら旅館の火災に巻き込まれた可能性は充分にある!」


「それはない!伊介は小百合の裏切りにいち早く気付いたやつだ。そんな奴がまず、火災に巻き込まれている可能性はゼロ!そして今!"首無しトンネル"と一緒の状況だ!伊介はギリギリになって俺たちを殺す気でいる!」


秀哉は二人を強く指さす。これはあくまでも推測。だが、有力な推測だった。
秀哉の勢いに圧倒された二人も流石に黙ってはいられなかった。


「ま、待ってよ秀哉君!ぼ、僕は違うよ!?確かに僕は目が普通の人と違うけど...でも!!僕は操られてなんかいないよ!?」


「あ?それなら俺もそうだぜ。俺は違う。こんなのどう考えたって省吾の可能性の方が高いだろ。目が全てを物語ってるぜ」


二人の言い分、それを聞いた秀哉は思い悩んでいた。私が思うに、この状況だと省吾君の可能性が一番高い。だけど、省吾君は私たちを命掛けて助けてくれた。そんなの伊介がやるメリットなんてない。