――――――――――――――――――――
後ろから爆音がする。どうやら咲ちゃんと秀哉君が火を付けてくれたみたい。その火は灯油が引いた線を燃えていき、ドアの下へ侵入したと思うと爆発が起きて、私は後ろへ吹っ飛ばされた。恐らくドアの向こうにある灯油ポンプや灯油庫に残っていたものに着火したのだろう。ドアは完璧に全開状態。だがそこから実里ちゃんは前進するとこはなく、身体に火を纏い、叫びながら奥の方へと消えていった。
私は最後の力を振り絞り変わり果てた我が子を瓶から取り出してギュッ抱き締めた。少し医薬品みたいな匂いがする。それで腐るのを阻止していたのを理解した。
火は部屋を埋めていくだけではなく、私をも包み込みはじめた。服に、髪に、肌に火が付いたのが分かる。それ程の激痛と熱さが私を襲った。だが、私は意識が無くなるまで我が子を離さない。離したくない。
火が視界一杯に広がった。顔に火が着火したのだろう。顔全体が痛い。だけど、私は我が子を見失ったりはしない。
「ごめんね風華。私も今すぐいくからね。」
私は意識が無くなり始めた。身体にも力が既に入らなく、痛いという感覚すらもう感じなかった。
そのまま倒れ、意識は完全に消失して死んでいった。
死んでもなお、愛する子は離さなかった。
――――――――――――――――――――



