ここへ来て、私が秀哉に抱いていたモヤモヤそれが今ハッキリと分かった。そしてそれが何処で体験したことなのかを。それは小学生の時の初めての恋をした時の感情だった。その相手のことを想うと胸が苦しくなり身体が熱くなることを思い出す。
この旅館にくるまで、秀哉にこんな感情を抱いたことは無かった。むしろ私は風華と秀哉が結ばれることを心から願っていて、秀哉なんて完璧に恋愛対象外だった。
そんな秀哉に対して恋をしてしまった理由は通常"吊り橋効果"ということは私でも分かる。
窮地に立った時の優しさ、頼りある行動が人を惚れさせるというアレだ。
風華を見捨ててしまって罪悪感で心がえぐられている状態で旅館へきた時に秀哉が女の子扱いをしてくれたこと。実里に襲われてどうしようもない時に自己犠牲で私達を救ってくれた頼りがいある行動。辰吾に襲われた時に助けてくれた時の優しさ。振り返れば振り返るほど"吊り橋効果"で秀哉に惚れてしまったのは見え見えだ。
こんなんじゃあの世の風華に何言われてもしょうがないよな。応援してたのにその相手を取ろうとするクソ野郎だから....
だけど、そんなんでも惚れちまったからしょうがないじゃん。
馬鹿みたいな所が好き。頼りがいがある所が好き。優しい所が好き。人の為に戦える勇気がある所が好き。人一倍仲間想いな所が好き。人を見捨てない所が好き。その顔が、性格が、匂いが、全てが好き。
私は...そんな秀哉が大好きだったんだ...



