「そんなのないよ。たとえ机を持ってきたとしても、押さえつける段差もないし時間もない。愛梨の意識もいつなくなってしまうか分からないし。」
「...でもだめよ咲ちゃん。咲ちゃんはここで死んじゃいけない理由がある...私にはないけどね....」
おばちゃんが死にそうな声で言いながらドアを押さえた。私はおばちゃんが言っていることが分からなく、一瞬力を抜いてしまったがドアは動かない。おばちゃんの力でも今のところは抑え込めるようだ。
「私ね....料理...食べちゃったんだよね...だからここで生き残って、旅館を燃やして実里ちゃんが死んでも私に乗り移られるわ...」
「え?...嘘..い、嫌だよ!おばちゃんを見捨てて帰るなんて嫌だ!」
「駄目よ咲ちゃん。私は疲れた。風華と一緒にもう逝かせて?第一、私が一番負傷してるんだから...ね?」
「...それは俺も反対です。貴女は風華の分まで生きてやってください。...俺がここで抑える。」
「秀哉君。だから私は料理を...」
「俺だって!...一口二口...口に運んでしまったんで...」
「え?」
あの料理秀哉も手を付けてしまっていたのか。ということは...私一人だけ器外。私が生き残るのには二人は犠牲にならないといけないってこと?
秀哉はおばちゃんをどかして自分が抑えた
「それに、実里の呪い。呪いの地、つまりここの地域から出れば対象外だと思うんですよ。とにかく、俺はここで死んでお母さんは風華の分まで生きてください。風華はお母さんが死ぬのは望んでなんかいません。」



