首取り

少し反省して顔をあげると実里さんは立ち止まってこちらを見ている。
恥ずかしくてまた下を向いてしまう。

彼女が今の私が見えなくてよかった...
顔は真っ赤になっている。


「お客様。部屋はこちらになりますよ。」


そっちかよ!!
何を勘違いしていたんだろう。
そんなんじゃ傍からみたらただの馬鹿じゃん。


「あ...ありがとうございます。」


お礼をして私は部屋の戸を開けて中に入った。
部屋の番号は二一七号室。
十二畳の和室で、真ん中黒い机。そこに座布団四つおかれている。
右奥の方には立派な掛け軸と壺が飾られている。壺には赤い茎に何輪か花を咲かせる白い花が一本あった。
私は冷や汗をかいた。
恵実が電話で見せた部屋に似ている。
まぁ同じ構造の部屋があるからそれはそうなんだが、どうしてもあの画面が頭から離れない。
そのまま呆然として立っていたら後ろで何かが突っ込んできた


「きゃ!」


私は軽く前に飛んだ
まさかあの女の人!?
右ポケットに潜ませているバタフライナイフを手に取りバッっと後ろを振り返る。

そこにはオデコに手を当てている実里さんの姿。


「あの...すいませんが、私目が見えないものなので黙って立っていられると当たってしまういます。その場に立つ時には今度から迷惑かけますが何か合図をしてください。」


「あっ...すいません」