「何でって...秀哉がいればお前が混乱する。それにこのババアもうるせぇだけだしいらねぇよ俺達の関係には」
もうだめだ...コイツには何言っても駄目だ...誰も止められない。こいつの勘違いは異常すぎる。
「辰吾....お前ってやつはとことんクソだな。この旅館に来なかったらお前のその本性を知らずに生活するってなると反吐が出るぜ....」
秀哉は白い箱に寄りかかりながら足を抑えて辰吾を挑発する。それに対して辰吾は怖いほど冷静に銃口を向ける。
「あぁそうだな。お前みたいなナルシストの女遊びが激しい奴といると俺も反吐が出る。ここでお前を処理できて幸運だよ。」
ヤバイ。このままでは秀哉が殺されてしまう。また失ってしまう。嫌だ!...だけど、力じゃ勝てるわけが無いし、言っても通じない...どうすれば...
...私が犠牲になればいいのか?...私が辰吾に身を渡せばあいつは私に夢中になる筈。それで秀哉を助けるようにいえば助かるのでは?
でも...またあれが...いや、あれ以上のことをされることになる...だけどこの方法しか...
私は半場覚悟を決めて、辰吾に自分を売る交渉をしようとした。だが、それは既の所で止まる。それは実里がゆっくりと起き上がっていたのだ。血を吐きながらもこちらに狙いを定めている。辰吾はまるで気付いていない。
まるで獲物のスキを伺うライオンのように静かに狙っている。



