「フッー!フッー!殺す...殺してやるううううう!!いるんでしょ!?息が聞こえる!泣いている...それにこの臭いは血!この血の臭いはお前か!そこにいるのね!!」
実里はどんどんと秀哉に向かって歩いていく。秀哉の出血と息を吐く音で秀哉って特定したのか、秀哉に近づくと共に怒りが増していっているのがわかる。
このままじゃあ秀哉が殺される。だけど私が助けに行こうとすれば私が殺される。しかも今の実里の状態からするにもう今までのように上手くはいきそうにない。
何か...何か策は?....
すると実里の前に立ちはだかる影が見えた。それは意外にも走って駆けつけた幸江さんだった。
実里は幸江さんの匂いを覚えているのか、感覚で分かったのかは分からないが、実里はピタッと動きを止めて顔の眉間が少しづつ緩くなっていった。
「お母さん?そこどいてよ。そいつは実里に痛い事を何回も何回もやってきたの。お母さんにも、お兄ちゃんにも痛い事をきっとする。だからお仕置きしないと」
「実里?今までずっと黙ってたけど、今までやってきたことは全部いけないことなのよ?人は殺しちゃあ駄目なのよ。実里だってお父さんに痛いことされたでしょ?その痛い事を他の人にやっちゃいけないの。」
幸江さんはボロボロと涙を流しながら優しい声で実里に話す。実里はその話の内容がよく分かっていなく、不思議そうな顔をした。



