首取り


「もう本当にうるさいッ!!何も喋るな!」


「私は貴女を助けたいんですよ。貴女がここで止めなければこの先数多くの人が死んで、存在を忘れられることになるんですよ?今後犠牲になってしまう人のためにも、そして自分の為にも。
貴女は助からないといけないんです。」


「なによ....何なのよお前はぁ!!ガキのクセして!あんたには私の気持ちが分かるもんですか!私はもう何人もこの手で殺した。老人、カップル、赤ちゃんも。私の手は汚れてるのよ!もう今更引き返すことなんて出来ないのよ!!」


ようやく幸江さんの心の殻が剥がれた。ボロボロと涙を流し、銃口がガタガタと震えて狙いが定まっていなかった。幸江さんの人間らしい言葉を聞けて何故か安心感を覚えた。


「罪を償って下さい。少なくともここにいる人達に。...もう解放されてもいいんじゃないんですか?」


「......わ、私は...」


突如白いカーテンが音を出して開いた。実里だった。
彼女は犬に噛まれた形跡を身体中に痛々しく残されており、穴から血がドロドロと流れていた。その傷の影響は凄く、実里はフラフラとしていた。右手には一匹の犬の首を持っていて、その犬はした顎が無くなっている。無くなった所からは舌がダラリと垂れていた。

正に最悪な展開。今まさに幸江さんを説得出来るところにトラウマがやってきた。しかも、実里はキレていた。鼻息をフッーフッーと威嚇状態のクマのように荒れていて、右手に持っていた犬の頭を怒りのあまりに思いっきり握るとバキッゴキっ!グチャっと身の毛も弥立つ音を出しながら握り潰した。