首取り

実里さんはゆっくりだが正確に足を進めている。
大したものだ。
私だったらテスリに身を任せていると思うが実里さんは私の荷物だけ持っている。
少し持たせてるのに罪悪感を覚えたが、この役を何回もこなしている実里さんに任せて廊下を歩いていく。

廊下を見ると部屋が左右に点々とある。
その中を実里さんはゆっくりとまた進んでいく。

実里さんのペースに合わせないと実里さんがパニックになるかもしれないので合わしていたが、ゆっくりと歩くものだからまぁまぁ時間がかかる。

無言の状況が荷物を任せてから続いている

き...気まずい...
何か話し掛けてこの場を和まそうか...
そう思っていたら実里さんは歩きながら少しだけ後ろを振り返り話し掛けてきた。


「本日は何故にこの旅館に?」


それは恵実を助けるためっ!....っとは言えることもない。


「近くにある「彩澄トンネル」に行ったんだけど何もないし、夜遅いから泊まろうって思っただけですよ。」


「そうですか...」


はぁ〜とため息をつく実里さん。
どうしたんだろう?


「最近あそこのトンネルが心霊スポットになったらしくて最近若い人達が良くあそこらへんをうろついていると母が言ってるんです。
お客様も少しづつですが増えていって潤いが出てきたとは思うんですが、近くに心霊スポットなんて...正直気味が悪いです...」