そう言うと幸江さんは銃を帯の中へしまった。本当に質問を答えてくれるのか...
「じゃあ答えろ!何で風華にこんなことした!誰が殺したんだよコラァ!!」
秀哉は泣きながらも言い放つと幸江さんは呆れた表情で「だから...」と呟いた。
「全く学習能力がないのね。その風華?とかいう人を殺した人については昔話をする必要があるの。最初の質問の"何故警察が疑わないのか"も一緒に答えられるし動機も言えるしね。」
「...なんでいきなり答えてくれるんだ?あんたに何のメリットがあるんだよ?」
「さっきっから同じこと何回も言うようだけど"ご褒美"なのよ。少なくとも、自分の子が憐れな姿で見つかることには同情してあげてるのよ?まぁ本当は少し話したかっただけだけど...まぁそんなのはどうでもいいわ。まずその白い箱の中見てみなさい。ガラス張りだから中は開かなくても見えるわ。」
私はすぐ横にある箱を幸江さんのことを警戒しながらゆっくりと秀哉から離れて中を覗くと、そこには一人分の人骨が寂しく横たわっていた。
「これは...」
「それが実里のお父さんよ。」
これが?明らかに時間が経過している。
「じゃあこれがあんたの夫か?」
「いえ。...それは四代前の女将の夫よ。私と実里には血なんか繋がっちゃあいない。」
実里と幸江さんは血が繋がっていない。つまり最初のやり取りは嘘ということになるし、幸江さんが捨て子でここへ来た時には実里は既にいたということになる。



