首取り

風華の顔の変化が終わった。その時には風華の顔はとても酷いものになっていた。
ナイフなどの切り傷、殴られた跡、左目をくり抜かれていてポッカリと空いていた。歯は半分以上抜かれていて、まるで未知のウイルスに感染してゾンビ化している途中経過のようにおぞましくなっていた。

あの綺麗で可愛げな風華の顔が思い出から壊れて消え去っていく。こんなの...


「こんなの...こんなの風華じゃ...」


思っていたことが自然に口から出て止まった。それは生前と風華の顔と今の顔との共通点があったからだ。風華の右目の上には二本の縦に伸びている古傷があったのだ。
この古傷は私と風華が小さい時に大喧嘩をして、私が突き飛ばすと、花瓶と一緒に床へ頭をぶつけて花瓶の破片が二枚右目の上あたりに刺さってしまった時があった。

その古傷と全く同じ深さで同じ角度。完璧に風華だった。そしてこの傷を付けたやつはそこをあえて残すようにそこ以外を狙っていたのだ。そこで気付いた。さっきの綺麗な状態の風華は私の幻覚だったことに....
実里が何故笑っていたのか分かった。もう死んでいるのを助けようとしていた私達を馬鹿にしていたのだ。
私は胸に空間が出来た感覚を覚え、そして罪悪感が押し寄せてくる。


「...私が...私が!!...風華を信じてやればこんなことにはならなかった...私のせいだ....私が風華をこんな風に....私は私は私は....」