「なん....だ?ここは?...」


秀哉は驚きの声を発していたが、私とおばちゃんは何も口に出さなかった。その光景があまりにも異常であったからだ。扉の前に立ってから違和感は感じてはいたが...

扉の向こうの景色は白一色で収まっていた。
ちょっとした廊下があり、真っ直ぐいくと白いカーテンが道を塞いでいて、両サイドにまた別の扉があった。その扉にはガラスが貼っていて、外から中が見えることができそうだ。だが、正面の白いカーテン。あれが不気味でしょうがない。
両サイドは扉なのに何でカーテンなのか?そこが恐ろしく感じる。

私達はおばちゃんを先頭にゆっくりと歩いていく。ここは地下なのであろう、足音は静かな旅館の廊下より響いた。調理場の防音壁もそうだが、重要な部屋には近代の物が使われている。松明やロウソクで灯を灯して歴史があるように見しているのは、この白い空間を見るとバレバレの策だ。

扉のガラスを見ると右の方には色々な器物が置いてある。銃に斧、ナイフなどがあるが、何故か電気椅子だったり血がべっとりついているレンチが立て掛けてあり、半分は血の色で染まっているボールペンが落ちていたのが見えた。まだ奥にも色々とありそうだ。
その異様な光景に、見た時数歩思わず後ずさりしてしまう

もう片方の扉は灯油庫だった。何故ここに入れるのか理由は知らないが、どちらも鍵がかかっている。