首取り

走っていたせいか、受け付け室までの距離が妙に短かった。こんなバタバタ走っていたのにも関わらず"首取り"が姿を現す気配は一向になかった。
取り敢えず運が良かったで収めるべきか?...

秀哉はそうっと戸を開ける。受け付け室は必要最低限の物しか置いていないと言った感じだった。机、イス、灯をともすロウソクが何個も置いてあり、そして書類が収まっている棚くらいしかなかった。ロウソクや書類等以外は全て木製で構成されていた。
棚の所にはおばちゃんがいて、こちらを見ると安堵の息を吐いた。


「咲ちゃん。無事で良かった....」


「....はい。」


無事では無かったが癖のように無意識に返事をする。


「ところでお母さん。地下への入り口は見つかりました。」


「ええ。丁度ね。地下への入り口は簡単に見つかったけど、鍵が閉まってて...探すのに少しばかり手間がかかったわ。」


そう言いながらおばちゃんは鉄製の大きな鍵を私達に見せて、同時に棚の下の床を何枚か抜いた。そこにはコンクリートで固められた階段が姿を表した。コンクリートの階段から冷気が漂ってきて、身震いを起こした。


「さぁ。行きましょう。」