首取り


「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!痛いぃ!!やめてよぉ!!痛い痛い!!ガッ!やめ...ガァァァァァ!!」


実里は身体をばたつかせた。そのお陰で犬達はますます興奮し、より強く噛み付いた。
まさか実里も今まで一緒に過ごしていた犬に攻撃されたと思わなかったのか、酷く混乱していた。
血を身体のあらゆる所から吹き出して、血混じりの泡を吹き始めた。


「咲!行くぞ。受け付けまで!」


私が実里が襲われているのを見ていると、いきなり秀哉に手を掴まれて引っ張り寄せられた。その無理矢理感が辰吾の姿が思い浮かんで身震いをしてしまう。

私は秀哉に連れてかれて部屋を飛び出し、そのまま受け付け目掛けて走っていった。


「おばちゃんは!?」


「先に向かってる!早く行くぞ!実里が立ち上がる前に!」


遂に恵美と風華が囚われている地下室へ向かうことが出来る。旅館に着いてからここまで、時間的には恐らく三時間もかかっていないだろうが、私には一日と感じさせられる。
この短いようで長い時を果て、私は遂に風華と会える。
謝らなければ....私は一度風華の助けを求める手を振りほどいてしまった。今度は離さない。絶対に離してやるもんか!

走る足音以外一切聞こえない旅館の廊下。実里の叫び声ももう聞こえなくなっていた。