首取り


実里のお父さん。一体どんな人なのか...風華を助け出すためには、実里のお父さんと対峙しなければいけないってことか...


「そうか...分かったありがとう。じゃあ三つ目の質問だが...」


最後の質問と分かった途端実里の目付きが変わった。一見まだクスクスと笑っていて油断しているかのようにも思えるが、手で隠されている隙間からチラッと見えただけでもわかる。景色を映さないその白い目は何か警戒していることを感じさせた。
実里は...この三つ目に何か仕掛けてくるんじゃないか?と察していた。その事に気付いた秀哉も少し戸惑っていた。だが戸惑いは一瞬にして消え失せた。


「そうだな...その耳の傷は何だ?結構深いようだけど...」


「え?本当に?」


そう言って実里は耳に手を当てて確認しようとするが意識はこっち側に向けられていることがヒシヒシと伝わってくる。
それに対して秀哉は顔色一つ変えずに服のボタンを一つ取り外すと実里の右後ろを狙って投げた。そのボタンは狙った場所へ引き寄せられていくように飛んでいく。

そのボタンが畳に落ちた時に生じたかすかな音を実里はすかさず反応してボタンに目掛けて襲いかかった。畳だから音も小さいのだが、それが逆に効果があるのを理解した。その音が小さければ小さい程、まるで誰かが実里に気付かれないように気配を消しながら近付いているように目の見えない実里は感じるであろう。