首取り


秀哉と辰吾の言い合いの中、一つの軋んだ音が入り込み誰もが息を呑んだ。この軋んだ音は天井から聞こえてきた。私と秀哉は確信を得た。この天井の先で何がいるのかを....


「あぁ?なんだ?」


経験していない辰吾が言葉を発した瞬間、バキバキと音がしたのと同時に上から人が落ちてきた。その人は天井の床ごと落ちた時に巻き上がったホコリに身を纏わせながらゆっくりと立ち上がった。
そこには白目を向いている愛梨がいた。


「あぁ?クソ陰キャが何してんだよ?」


辰吾の声に敏感に反応してすぐさま白い目で辰吾を見つめる。愛梨は不気味な笑みを浮かべて少しづつ距離を縮めていった。その愛梨を変だと察した異常者は少し後ずさる。


「アハハ。ねぇ.....陰キャってなに?」


愛梨は質問するのと同時に辰吾の所までジャンプした。辰吾は意図的にやったのか偶然出来たのか、愛梨の下へ倒れたように転がり抜けた。愛梨は着地地点に右手で攻撃をする。床は壮大な物音を出しながら愛梨の手が貫通することを許した。
辰吾は豹変した愛梨を見てガチガチと歯を鳴らしながら弱々しい目で愛梨を見る。それに対して愛梨は笑いながら辰吾の方へ顔を向ける。


「ハッ、ハッ、ハッ。ま...まだ死にたくねぇ!!嫌だァ!!!」


辰吾は追い詰められたように顔色変えながらバタバタと足音を鳴らしながら勢いよく部屋を飛び出した。