首取り

全員首から上が無いんだよ。頭のあの字すら見つからねぇ...分かるか?"首取り"共は死体の頭を取る余裕があるってことだ。...今考えてみればあの抜け道だって怪しいんだ...絶対に何か対策があるに違いないんだ...
なぁ咲。俺は...まだ死にたくねぇよ...。まだやりてぇ事とかいっぱいあるのによぉ...」


辰吾は泣きそうになりながらも喋ってくれた。"首取り"の余裕、実里の未知の力、辰吾の話を聞いて私も絶望してきた。そして罪悪感さえ感じてくる。辰吾は元はいえば殆ど関係のない人間なのだ。


「すまん辰吾...こんなことに巻き込んだりして。本当にごめん。
だけど諦めんなよ!脱出した奴はいないが脱出しかけたのなら前例はある。私達にはまだ希望があるんだよ。脱出方法もきっとある!
だから...一緒に頑張ろう。」


私は辰吾に手を差し伸べた。こんな事、本来私も聞く側にに立っているはずなのに、こんな偉そうな事を言ってもいいのか?と思ってしまう。
辰吾は呆然とこっちを見てくる。「そんなの分かってんだよ!!」って怒鳴られそうと思って顔を顰めてしまう。


「おわっ!!」


私は辰吾に怒鳴られるのを覚悟にしていたが、辰吾は差し伸べた私の手を掴んで一気に自分の方へ引き寄せ、私を抱きしめた。
いきなりの事でドキッとした。辰吾の癖に生意気な...