首取り


愛梨...まるで実里だ。あの肌の白さ、圧倒的強さ、口調、そして物を映さぬ白で染まった目。
小百合ちゃんが言っていたことがようやく理解出来た。明らかに実里は死んでいた。愛梨がおかしくなったのは実里が死んで少したったらだ。

...私はこの状況に影響されて普通な思考が出来なくなっているのかもしれない...こんな事は普通有り得ない。でも、もしかしたら....実里は死んだら人を憑依みたく操れる...いや完全に乗っ取ることが出来るのかもしれない...

そんなことを考えながら走っていると、誰かに腕を掴まれて横へ引っ張られた。いきなりの事で対応出来なく、腕が引きちぎれるかと思った。私を掴んだ奴は私を部屋に無理矢理放り込まれた。

もしかして"首取り"か?と思ったがそうではなかった。


「し、辰吾か?」


そこには青ざめた辰吾が立っていた。血の気は引いており最後に会った時にあった、目の覇気というものが全く感じられなかった。今すぐにでも吐いてしまうんじゃないかと心配してしまう。何故か辰吾は明らかに心が折れている。絶望で染まっているようだった。


「ど、どうしたんだ辰吾?そんな顔をして....脱出方法は見つかったのか?」