首取り

蘭は泣き叫ぶように愛梨の肩を何度も揺らしながら声をかけた。


「愛梨!愛梨ッ!....うぅ...何で...起きてよ...」


蘭の言葉にピクリとも反応しない姿を見て、蘭も段々心の隅で諦めがついてしまったのか、声が小さくなっていった。


「....すまない。私がもっと早く来ていれば....クソッ!一体何人殺せばあいつらは気が済むんだ!
お嬢さん。私の妻と子供、そしてこの子の無念を私がきっと晴らしてみせる。」


信二さんは蘭の肩に少しだけ手を置いてスグに離すと、その手を蘭に強く掴まれた。
蘭は涙を流しながら歯を食いしばり、信二を睨んでいた。


「何言ってんの!?私もやるに決まってるでしょ?愛梨の仇は私がうつ!"首取り"とか関係ないし!アイツらを殺して恵美を助けてやる!!絶対!!」


その言葉を信二さんは強く受け止め、大きくうなづいた。
あの蘭が今、怒りを動力に復讐しようとしている。つい数日前だと想像すらしなかったことだった。


「....大丈夫か?秀哉?」


「はは....これが大丈夫に見えるか?...クソいてぇ」


「見してみろよ。....あぁーこれは結構いってるな。取り敢えずあれだ...その...頑張れ!」


「えぇ...」


秀哉に出来ることといえば応急処置くらいなのだが、それを出来るものがない。布があれば話は別なのだが...